レーザー治療について

レーザー治療Q&A

Q1.レーザー治療(レーザー)とはどの様な方法ですか?

レーザー治療

レーザー治療zoom

静脈瘤のレーザー治療はレーザー (Endovenous Laser Treatment)といい、細いレーザーファイバーを静脈の中に入れ中から血管を焼いてしまう方法です。同じような治療にはラジオ波を使ったVNUSという治療があります。どちらも静脈の中に細いカテーテルを挿入しレーザー光やラジオ波の熱で血管を閉塞させてしまう”血管内治療”です。従来の手術と異なり局所麻酔(TLA麻酔)でほとんど傷がなく、短時間で静脈瘤の治療が可能です。

レーザーは以前から皮膚科や美容形成で行われている体外からレーザーを照射する方法とは異なります。従来のレーザー治療は非常に小さい静脈瘤(くもの巣状静脈瘤等)に対する治療です。


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Q2.いつから行われていますか?

1998年にスペインのCarlos Bone医師らが初めて行いました。2001年にアメリカのLuis Navarro医師が現在行われている形のエンドレーザー法を報告し、今ではアメリカやヨーロッパのみではなく韓国や中国などアジアの国々でも広く行われています。日本では高知大学の小田先生、松本先生達が2002年に初めてレーザー治療を行い、私たちもそれに続き2002年よりレーザー治療を開始しています。

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Q3.あぶなくないのでしょうか?

安全な治療です。アメリカやヨーロッパでは入院設備のないクリニックで日帰りで行われています。治療の方法としては手術というより放射線科で行うような血管内治療に近いものになります。しかし、下肢静脈瘤のレーザー治療には超音波検査(エコー)や特殊な局所麻酔(TLA麻酔)に関する経験と知識が必要ですので、血管外科医、特に下肢静脈瘤の治療にくわしい医師が治療を行う必要があります。

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Q4.従来の方法とくらべて悪い点は?

短期的には治療をした太ももの皮下出血や疼痛、突っ張り感などが問題となっていましたが、レーザーの改良によってはこれらの合併症は非常に少なくなっています。特に最新の1470nmレーザーとRadial fiberの組み合わせではこれらの合併症はほとんど起こりません。長期的な治療成績はストリッピング手術、ラジオ波治療や硬化療法に較べ良好であることがわかってきました。

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Q5.保険は使えますか?

2011年1月より血管内レーザー治療に保険が適用されるようになりました。ただし、薬事認可されたレーザー(エルベス980nm)を持ち、レーザー治療の講習を受けた医師がいる病院でのみ保険診療で行うことができます。その他のレーザーを使ったレーザー治療は保険は適用されません。当クリニックはエルベス980nmレーザーを導入し、手術をする医師は全員講習を受けていますので、保険診療で血管内レーザー治療を行うことができます。

 2011年1月レーザー治療は保険診療になりました!

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Q6.わたしはレーザー治療を受けることができるでしょうか?

ストリッピング手術の対象になる伏在型の静脈瘤はすべてレーザー治療を行うことができます。静脈瘤が重症かどうかはあまり関係がありません。以前は難しかった静脈が皮膚の表面に近い方や曲がりくねっている方も、治療法の改良によって治療が可能になっています。

レーザー治療を受けることが難しい方

レーザー治療を受けることが難しい方 レーザー治療を受けることが難しい方

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Q7.日帰りで治療を受けることはできるでしょうか?

もちろん日帰りで治療を受けることができます。いままでの日帰り治療は日帰りといっても朝から晩までの1日がかりでしたが、エンドレーザー法の場合治療時間は約30分で、治療後すぐに帰宅可能ですので来院から帰宅まで2-3時間しかかかりません。

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Q8.両足いっぺんに治療することはできるでしょうか?

基本的に治療は片足ずつになります。技術的には両足同時に治療を行うことは可能ですが、麻酔薬の量が多くなったり両方の足の治療が不十分になったりする可能性があるので別々に治療を受けることをお勧めしています。

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Q9.傷跡は残るのでしょうか?

傷の場所 zoom

レーザーのファイバーをどこからか血管の中に入れなければならないので、まったく傷跡が残らないということはありません。  傷の大きさでは穿刺法(ファイバーを細い針から入れる)が最も小さく、数ミリで、ほとんど傷は目立ちません。しかしケロイド体質の方の場合、多少盛りあがって見える場合があります。小切開法では傷は約1cmになりますが、埋没縫合(美容外科の縫い方)を行うのであまり傷は目立ちません。高位結紮術を行う場合は、傷は3cmと最も大きくなりますが、切る場所が足のつけねのしわの部分ですのでほとんど傷は見えなくなります。しかも足にはまったく傷をつけませんので、3つの方法の中では最も足の傷が目立ちません。


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下肢静脈瘤の血管内レーザー治療は世界の標準治療になってきています。私たちは日本でもできるだけ質の高い先進的な治療を受けることができるようにと考え、2002年よりいち早くレーザー治療を開始しました。そして、2011年レーザー治療が保険適用され、下肢静脈瘤治療は大きく変わることが期待されます。当クリニックは保険適用のレーザー治療の指導機関として今後も安全で身体に優しいレーザー治療の普及に努力していきます。

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