生理になると足が重くなったり、痛くなったりしませんか?そのような方は足のつけ根や太ももの裏側を見てください。写真のように、足のつけ根や太ももの裏側に静脈瘤がある方は、“陰部静脈瘤”の疑いがあります。陰部静脈瘤は普通の静脈瘤と違って、お腹の中の卵巣や子宮周囲から発生します。そのため、生理で卵巣や子宮にいく血液が増えると症状が強くなるのです。一見、血管がそれほど盛り上がっていないので、軽く見られがちですが、実際は症状はかなり強く、患者さん本人にとってつらい静脈瘤です。
陰部静脈瘤は膝下の血管があまり目立たず、太ももの静脈瘤もそれほど大きくないので、見逃されたり、治療の必要がないと言われることがよくあります。しかし、見た目よりずっと強い症状があり、治療によって劇的に良くなるため、私たちは積極的に治療を行っています。陰部静脈瘤は、伏在型静脈瘤と違ってストリッピング手術やレーザー治療の対象とはなりません。静脈瘤を直接切除する手術をする事もありますが、ほとんどの場合、硬化療法によって簡単に治療をすることができます。最近ではフォーム硬化療法になって、さらに治療効果は高くなっています。
また、陰部静脈瘤は妊娠中にできることが多いのですが、残念ながら妊娠中は治療できません。弾性ストッキングで症状を抑えておくと出産後は自然に良くなりますが、完全には治りません。出産後半年以上たってから、超音波検査で静脈の状態を調べてから治療を行います。
フォーム硬化療法
フォーム硬化療法