グルー治療|下肢静脈瘤専門の日帰り手術・お茶の水血管外科クリニック

グルー治療(瞬間接着剤による治療)が保険適用されました!
Venasealクロージャーシステムを用いた治療
グルー治療が保険適用となりました
2019年12月から次世代の下肢静脈瘤治療であるグルー治療が保険適用となりました。このグルー治療は、厚生労働省が正式に認可したVenasealクロージャーシステム(以下ベナシール)を用いた治療で、アメリカのFDAに認可された唯一のグルー治療です。正式なトレーニングを受けた医師であれば、日本全国どこでも保険診療で治療を行うことができます。治療費はレーザー治療とほぼ同じで、3割負担の場合約4万5000円の自己負担額になります。
日経メディカル「下肢静脈瘤を瞬間接着剤で低侵襲に治療する」
グルー治療とは・・・
グルー治療は、瞬間接着剤(いわゆるアロンアルファ)を静脈の中に注入してふさいでしまう方法です。瞬間接着剤を使うため糊を意味するグルー(glue)治療と呼ばれています。今までの静脈を焼いてふさぐレーザーやラジオ波治療では、少数例ですが治療した太ももの痛みや皮下出血、神経障害、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)などの合併症がおこることがありました。しかし、グルー治療では静脈を焼かないのでこれらの合併症がほとんどおこりません。
グルー治療の利点
静脈を焼かないので静脈のまわりに広範囲の局所麻酔(TLA麻酔)が必要ありません。そのため、麻酔をする際の痛みが非常に少なく、治療後に麻酔液のしみ出しを防ぐために包帯を巻く必要がありません。熱による神経障害(しびれ)や深部静脈血栓症もおこらないと言われています。さらに、治療後に弾性ストッキングを履く必要がなく、運動や生活の制限がほとんどありません。治療成績も従来の血管内治療と比べて同じぐらい、あるいは良好であると報告されています。

瞬間接着剤を体の中に入れて安全なの?
グルー治療に使用される瞬間接着剤は、有機化合物のシアノアクリレートが主成分です。シアノアクリレート系瞬間接着剤の医療応用は1960年代から50年以上の歴史があり、日本でも血管内治療や皮膚接着に広く使われています。特にベナシールは世界一厳格な基準を持つアメリカの厚生労働省であるFDAに認可されており、安全性にはまったく問題ありません。
保険診療による安全・安心な治療を受けて下さい
私達は、2002年に日本でレーザー治療が始まってからより良い治療を求めて様々な血管内治療を行なってきました。今回、保険適用されたグルー治療も低侵襲で安全な非常によい治療です。

しかし、治療が簡単になったため、最近では下肢静脈瘤専門クリニックが全国にできています。それらのクリニックの一部ではお金儲けを目的として手術が必要のない軽症の静脈瘤の方、ひどい場合には静脈に異常がない方に手術を行い、問題となっています。
「十分な検査や説明がなく手術を強く勧められた」、「目立った静脈瘤がないのに両足の手術を勧められた」、「保険の手術の後に自費の手術を勧められた」等、診療に疑問があった場合は、必ずセカンドオピニオンを求めて下さい。全国の下肢静脈瘤に悩む患者さんが保険で安全・安心な治療を受けられるよう願っています。


令和元年12月
お茶の水血管外科クリニック
院長 広川雅之

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