下肢静脈瘤と足のむくみ

下肢静脈瘤で足がむくむのはなぜ？

人間の体を巡っている血液は常に重力の作用を受けています。特に立っている姿勢では、足先に届いた血液が心臓へ戻る際、重力に逆らうことになります。そのため、静脈内には逆流防止弁がついていますが、この静脈弁が壊れている場合には、下肢の静脈内に血液が滞り、静脈の内圧が高くなります。内圧が上がると血液中の水分が毛細血管の外へ染み出て、その水分が皮膚の下の脂肪組織に溜ってしまい足のむくみとなるのです。

下肢静脈瘤による足のむくみは片足

足にむくみが出ている場合、その原因となっているのは下肢静脈瘤以外にも様々な疾患が考えられます。例えば、心不全、腎不全、肝硬変、甲状腺疾患などです。ほかにも貧血でも足がむくむことがありますが、下肢静脈瘤が原因で起こる足のむくみは、ほとんどのケースで片方の足にむくみが現れるのが特徴です。ですから、片足だけでなく両足やまたは手のむくみも気になる場合は、下肢静脈瘤以外の疾患が原因になっている可能性が高いと言えるでしょう。

薬の副作用の可能性も

下肢のむくみは薬の副作用で発生するケースもあります。非ステロイド性消炎鎮痛薬やカルシウム拮抗薬もそうですが、生薬である甘草が含まれている漢方薬の副作用で足がむくむことがあります。また、子宮がんなどの骨盤内のがんの手術の際に、リンパ節を切除したことで足にむくみが出る場合もあります。