下肢静脈瘤では脚は痛まない
下肢静脈瘤の患者さんから「ふくらはぎが激しく痛みますが、下肢静脈瘤が原因でしょうか?」と質問されることがあります。下肢静脈瘤の典型的な症状の一つとして足の痛みがあげられるものの、一般的には重痛い、重苦しいといった痛みであり、激痛になることはありません。
激しい痛みは血栓性静脈炎の疑い
下肢静脈瘤が急に痛むのは、血栓性静脈炎といって、下肢静脈瘤の中に血液の塊(血栓)ができて炎症を起こした場合です。以前からあった下肢静脈瘤が急に赤く腫れあがり、激しい痛みが生じます。血栓性静脈炎の治療法としては、鎮痛薬を服用し、患部を冷やしたり、弾性ストッキングを履き、しばらく安静に過ごしていれば7~10日ほどで自然に炎症が収まり痛みもなくなります。
血栓性静脈瘤は再発予防を
静脈瘤に詰まった血栓はその後どうなるのでしょうか。血栓はしばらくしこりのように残りますが、その後、半年から1年くらいかけて徐々に吸収されていきます。血栓性静脈炎を再び起こさないためには、下肢静脈瘤を根本的に治療する必要があります。しかし、普段から積極的に足を動かしたり、足をマッサージしたり、水分をしっかり補給しすることによっても再発を防ぐことはできます。