原因は静脈弁の先天性異常
下肢静脈瘤は、静脈の中にある静脈弁がうまく作動しなくなり起こる病気です。静脈弁の異常は遺伝、妊娠・出産、長時間の立ち仕事、老化などが原因です。いずれにせよ、元々は正常な静脈が後天的に異常を起こします。先天性静脈瘤はうまれつき静脈に異常があり、一見正常に見えても静脈の働きが悪く、長期間をかけて徐々に悪くなります。以前は海綿状血管腫と呼ばれていましたが、現在は静脈奇形と呼ばれています。
クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
静脈だけに異常が起こったのが静脈奇形ですが、静脈に加えて毛細血管やリンパ管などにも同時に異常がある先天性静脈瘤としてクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群があります。クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の方は、茶色やピンク色のあざができる、足の長さが左右で違うなどの特徴があります。珍しい病気ですが、静脈瘤外来では時々見かけられます。国の指定難病となっていて、申請すれば医療費の補助が受けられます。治療は基本的には弾性ストッキング着用ですが、フォーム硬化療法や血管内レーザー治療が行われることもあります。