下肢静脈瘤を深刻にとらえるかどうか
下肢静脈瘤になるのはもちろん女性だけでなく、男性の患者さんもおられます。患者さんから「男性は女性よりも下肢静脈瘤が重症化しやすいと聞きましたが、本当でしょうか?」と質問されることがありますが、これは事実ではありません。男女で重症化しやすさは変わりません。しかし、男性の患者さんはある程度進行した状態で受診されることが多く、そのため重症化しやすいと誤解されています。
男性は足のコブが気にならない人が多い
女性はスカートを履いて足を出すことがあるので、足の血管がコブのようになれば人目を気にして自分で悩むようになり、早めの受診や治療へのきっかけとなります。それに比べて男性は、下肢静脈瘤が発症して足にボコボコと血管が浮き上がってきても、普段はズボンで足を覆い隠しているため人目が気にならず、自分でも気にせずにそのまま放置してしまう人が多いようです。
重症化して手術になる前に受診を
下肢静脈瘤が進行すれば男女とも同じように症状が悪化します。人目を気にしない男性でも、足に湿疹や潰瘍ができるほど悪化すれば医療機関を受診するでしょう。しかし、そこまで重症化していると、すでに保存的療法では対処不可能ですから手術が必要になります。「男性は女性よりも下肢静脈瘤が重症化しやすい」というのは、男性は早期に専門医を受診しないために、女性よりも重症化している傾向があるということです。