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下肢静脈瘤の不適切治療に注意

下肢静脈瘤の不適切治療とは?

下肢静脈瘤の治療法である血管内焼灼術(けっかんないしょうしゃくじゅつ)やグルー治療は、身体に負担が少なく、保険適用の手術でもあることから、現在では日本中で行われています。しかし、治療が普及していくなかで、一部のクリニックや病院では、無症状や軽症の患者さんに対して本来必要ではない治療、いわゆる「不適切治療」を行うケースが報告されており、学会から医療関係者に対して注意喚起が行なわれています。血管内焼灼術をどのような患者さんに対して手術を行うかは、日本静脈学会による「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019」に沿って判断されます。そして、不適切治療の報告が増えるなか、ガイドラインを補う「不適切治療症例に関する追補」も作られています。

超音波検査や診察が短時間なら要注意

下肢静脈瘤の手術が必要なのは、どのような患者さんなのでしょうか?それは、下肢静脈瘤が原因でつらい症状が起こっている場合です。例えば、足が重だるい、むくみがある、こむら返りが起こる、皮膚炎を起こしているなどがあげられます。そして、重要なポイントは下肢静脈瘤がそれらの症状の原因なのかどうか、という点であり、超音波検査や診察で慎重に判断する必要があります。熟練の技術を持つ医師であっても、両足を超音波で検査し、診察する場合、20分から30分の時間を要しますので、超音波検査や診察を短時間で済ませてしまう医療機関には気を付けたほうがよいでしょう。


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