下肢静脈瘤が悪化しても足の切断にはならない
患者さんから「下肢静脈瘤が悪化したら足を切断することになるのでしょうか」と不安そうに質問されたことがありますが、もちろん答えは「NO」です。下肢静脈瘤が重症化して潰瘍ができたとしても足の切断にはなりません。足の切断になるのは、糖尿病や動脈硬化で脚の動脈が詰まって壊疽をおこした場合です。下肢静脈瘤は静脈の病気なので潰瘍になっても壊疽にはなりません。
糖尿病足病変が引き起こす壊疽
足の壊疽を引き起こす代表的な病気は糖尿病で、糖尿病の方は足の動脈硬化が進み虚血状態となり壊疽になりやすく、糖尿病で神経障害が起こり足の感覚が鈍くなっているので、足に傷ができても自覚症状がないまま壊疽まで進むケースもあります。
下肢静脈瘤と糖尿病の方は注意
単に下肢静脈瘤が悪化しても足の切断には至りませんが、注意したいのは下肢静脈瘤と糖尿病を両方患っている患者さんです。足に潰瘍ができた場合、その原因が下肢静脈瘤なら心配はありませんが、糖尿病足変病が原因なら壊疽まで進む危険性があります。糖尿病を患っている方は、悪化し潰瘍から壊疽を起こさないよう、血糖値を正常範囲内に保つことが重要です。