静脈瘤は破裂する？

静脈瘤は破裂しない

下肢静脈瘤の患者さんから「静脈瘤は破裂しないのですか？」と質問を受けることがあります。静脈瘤は破裂することはありません。下肢静脈瘤は静脈の逆流を防ぐ弁が壊れることで、重力に負けて血液が足へと下がり、血がたまる病気です。血がたまっているだけなので、血管がふくれても破れることはありません。まれに出血することはありますが、たまっている血液が出るだけで死ぬ前に止まります。

動脈瘤は破裂する

静脈瘤と同じ血管の病気で動脈瘤という病気があります。動脈瘤は動脈硬化がおもな原因で動脈がコブの様にふくれる病気です。動脈が正常の太さの1.5倍以上太くなると動脈瘤と呼ばれますが、動脈瘤になっても症状はなく、ある日突然破裂します。動脈は心臓につながっているので破裂すると大出血をおこし、死に至ります。全身の動脈でおこりますが、腹部の動脈にできることが多く、症状はないため健康診断や他の病気の検査で偶然に見つかります。クモ膜下出血も脳の動脈瘤の破裂でおこります。検査で動脈瘤が疑われた方は、早いうちに精密検査を受けるようにしてください。

動脈瘤と静脈瘤は違う病気

静脈瘤は遺伝性がありますが、静脈瘤と動脈瘤は別の病気ですので、家族に静脈瘤があるからといって動脈瘤ができやすいわけではありません。また、逆もしかりです。下肢静脈瘤はコブが破裂することはなく、命に関わる病気ではありません。