横になると血液が心臓へ戻りやすい
立っているときは静脈の血流は重力の影響を受けるため、血液が足から心臓へ戻るためには、ふくらはぎの筋ポンプの力が必要です。それに比べて横になっている状態は、心臓と足の位置がほぼ同じ高さになるので、足の血液が心臓へ戻りやすくなります。下肢静脈瘤の不快な症状が出たときは、できるなら少しの間だけでも横になって休憩するとよいでしょう。
寝るときは足を少し高く
足のむくみがつらいときに、寝転んで足を高い位置にしておくと、足にたまった血流が改善されて症状がやわらぎます。これと同様に、就寝中も血液がよりスムーズに流れるように工夫してみましょう。体より足先を少し高い位置にしておくと、足から心臓へ血液がさらに流れやすくなり、寝ている間にむくみなど不快な症状がやわらぎます。
心地よい高さに調整しましょう
足先の高さは寝苦しさを感じないくらいにするのがポイントで、足を高くしすぎると寝苦しくて熟睡できず、夜中に目が覚めて眠りを妨げてしまうことがあります。人によって心地よい足先の高さは個人差がありますので、足元の敷布団の下に薄い座布団やクッションなどを足したり引いたりして調整してみるとよいでしょう。毎晩、就寝の際に血流をよくする工夫をして睡眠時間をたっぷりとることは、健康を保つためにも大切であり、さらには下肢静脈瘤の不快な症状の改善につながる足にやさしい習慣にもなります。